原油が上がるとINPEXは上がり、ANAは下がる?
原油価格と株価の意外な関係
株価は、その会社のチャートだけを見て動いているわけではありません。原油・金利・為替など、外部市場の動きが強く影響する銘柄があります。
同じ原油価格でも、銘柄によって意味が逆になる
株式市場を見ていると、原油価格が大きく動いた日に1605 INPEXや9202 ANAホールディングスが反応することがあります。
ただし面白いのは、同じ原油価格を見ていても、両社への基本的な影響が逆になりやすいことです。
↓
🟡 INPEXには追い風になりやすい
🔵 ANAにはコスト増要因になりやすい
原油価格 下落
↓
🔵 INPEXには逆風になりやすい
🟡 ANAにはコスト低下要因になりやすい
つまり「原油が上がった」という同じニュースでも、企業のビジネスによって株価への意味は変わります。
なぜINPEXは原油価格の影響を受けやすいのか
INPEXは、石油・天然ガスの開発、生産、販売を行う日本を代表するエネルギー企業です。
そのため、販売する原油や天然ガスの価格が上がれば、基本的には売上や利益にプラスに働きやすくなります。
ただし、INPEXの利益が原油価格と完全に1対1で動くわけではありません。
天然ガス価格、LNG価格、契約条件、為替、ヘッジ、生産量など複数の要因があるため、原油価格はあくまで重要な要因の一つです。
INPEXを見るなら「原油の水準」より「方向」を見る
デイトレードでは、原油が何ドルなのかという絶対的な水準だけを見るより、前日から上がっているのか、下がっているのかを見る方が実用的です。
原油価格が90ドル
でも前日比 −2%
この場合、価格水準そのものは高くても、当日のINPEXには逆風になる可能性があります。
反対に、
でも前日比 +3%
であれば、短期的には原油上昇を材料としてINPEXに買いが入りやすくなることがあります。
つまり重要なのは、「高い・安い」ではなく「今どちらへ動いているのか」です。
では、ANAはなぜ逆に原油高がマイナスなのか
航空会社では、航空機を飛ばすために大量のジェット燃料を使用します。
そのため原油価格や航空燃料価格が上昇すると、基本的には燃料コストが増える方向になります。
↓
航空燃料価格上昇
↓
燃料費増加
↓
航空会社の利益を圧迫する可能性
このため市場では、原油価格上昇時に航空株が売られることがあります。
ただしANAも単純には動かない
ここで重要なのが、ANAの株価も原油価格と完全に逆相関するわけではないということです。
ANAは燃料価格変動への対策として、国内燃料についてヘッジを行っています。
また国際線では、燃料価格の上昇分を一部利用者へ転嫁するために「燃油サーチャージ」を設定しています。
ANAでは、国際的な航空燃料指標であるシンガポールケロシン市況価格を基準に燃油サーチャージを決めています。
日本発旅程では、燃油価格だけでなく為替レートも考慮して決定されます。
つまり「原油だけ」では足りない
INPEXもANAも原油の影響を受けますが、実際に株価を判断するときは他の条件も必要です。
| 銘柄 | 外部環境として見たいもの |
|---|---|
| 1605 INPEX | 原油価格・ドル円・TOPIX・資源株全体 |
| 9202 ANA | 原油価格・ドル円・旅行需要・航空株全体 |
特にドル円は両社とも無視できません。
INPEXでは海外事業の利益を円に換算する際に為替の影響を受けます。
ANAでは燃料費の多くが外貨建てである一方、国際線収入にも外貨があります。
そのため「円安=必ずプラス」「円高=必ずマイナス」と単純化することもできません。
TradingViewでは何を見ればいい?
実際の定点観測では、原油価格をリアルタイムで確認しておくと便利です。
例えばTradingViewでUSOILなどの原油チャートを表示して、以下を確認します。
② 東京時間に上昇しているか下落しているか
③ 日足の方向
④ 15分足の方向
INPEXの場合、原油が上昇していてINPEX自身のチャートも強ければ、外部環境と個別株の方向が一致していると考えやすくなります。
最終判断は株価そのものを見る
ここがTurning Pointで最も大切にしたい部分です。
原油価格が上昇したからといって、INPEXを無条件で買うわけではありません。
原油価格が下落したからといって、ANAを無条件で買うわけでもありません。
最終的な売買判断は、
日足
15分足
VWAP
出来高
高値・安値
など、実際の株価の動きを確認して判断します。
例えばINPEXならこう見る
+ ドル円が極端な逆風ではない
+ 日足上昇
+ 15分EMA5・EMA20上向き
+ 株価がVWAPより上
+ 出来高増加
このように、外部環境と個別チャートの方向が揃うほど、トレード候補として考えやすくなります。
ANAなら逆の発想になる
+ 航空株全体が強い
+ ANAの日足上昇
+ 15分足上昇
+ VWAPより上
+ 出来高増加
同じ原油チャートを見ても、企業のビジネスによって解釈が違うことが分かります。
株価は「会社の外側」からも動く
今回のINPEXとANAから学べるのは、株価を見るときに個別企業のチャートだけを見ていてはいけないということです。
金利
為替
海外株
業種別指数
ニュース
↓
個別株へ影響
どの外部指標がその銘柄に影響するのかを知っておくことで、銘柄を見る視点が大きく変わります。
まとめ
原油価格は、銘柄によってまったく違う意味を持ちます。
原油上昇
→ INPEXには基本的に追い風
→ ANAには基本的に逆風
ただし、どちらも完全な連動ではありません。
INPEXには天然ガス価格や為替、ANAには燃料ヘッジや燃油サーチャージなど、さまざまな要因があります。
だからこそ大切なのは、
外部環境を見る
↓
個別株の方向を見る
↓
出来高・VWAPを確認する
↓
条件が揃ったときだけ候補にする
という順番です。
株価を予想するためではなく、「今、その銘柄に追い風が吹いているのか」を確認するために外部市場を見る。
この考え方を持つだけでも、銘柄選びはかなり分かりやすくなります。
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