資産形成

子どもの自立を邪魔しているのは親かもしれない|モンテッソーリに学ぶ子育て

「危ないから、やってあげよう」
「時間がかかるから、私がやった方が早い」

子育てをしていると、こんな場面は何度もあると思います。

靴を履く。服を着る。水をコップに注ぐ。食事を運ぶ。片づける。

大人がやれば、ほんの数十秒で終わることでも、子どもに任せると何倍も時間がかかります。失敗することもあります。

私たちは子どもの「失敗」を減らしたいのでしょうか。
それとも、
子どもが「自分でできること」を増やしたいのでしょうか。

私はモンテッソーリトレーナーとして子どもたちを見てきました。

そして、子どものお金教育について考えるようになってから、改めて強く感じることがあります。

子どもを自立した「一人の人間」として育てること。
それが、子どもにとって本当に大切なのではないか。

1.モンテッソーリ教育が大切にする「自立」

モンテッソーリ教育を考えるうえで、非常に大切なのが「自立」です。

ただし、「何でも一人でやらせる」という意味ではありません。

大人の役割は、子どもが自分でできる環境を作り、必要なところだけ手伝うことです。

「やってあげる」のではなく、
「自分でできるようになるために手伝う」。

この違いは、とても大きいと思います。

2.大人がやってしまえば「失敗」は減る

例えば、小さな子どもが自分で水をコップに注ごうとしたとします。

子どもが自分で水を注ぎ、親が見守る様子

大人から見れば、「こぼしそうだな」とすぐ分かります。

だから、「貸して。やってあげる」と言いたくなります。

確かに、大人がやれば水はこぼれません。

でも、その代わりに子どもは、

・水差しを持つ
・傾ける
・水の量を見る
・止める
・こぼれたら拭く

という経験をしません。

失敗しなかったことと、
成長したことは同じではありません。

3.失敗した後に「どうするか」を学ぶ

水をこぼした。では、どうする?

布巾を持ってくる。拭く。元の場所に戻す。

この小さな出来事の中で、子どもは、

失敗する → 気づく → 考える → 修正する

という大切な経験をしています。

私は、子どもに失敗させないことが教育なのではないと思っています。

「じゃあ、どうしよう?」

と考えられる人に育てることの方が、長い人生では大切なのではないでしょうか。

4.「自分でやりたい」は成長のサイン

小さな子どもは、よく「自分で!」と言います。

急いでいるのに靴を自分で履きたがる。料理をしているのに手伝いたがる。洗濯物を自分で運びたがる。

「自分でやりたい」は、成長のサイン。

5.子どもを変えるのではなく「環境」を変える

洗面台が高くて届かない。それなら踏み台を置く。タオルを手の届く高さに置く。洋服を低い位置に収納する。

子どもが自分で服を選べるように整えられた環境

すると、昨日まで大人に頼んでいたことが、自分でできるようになります。

「この子にはまだ無理」ではなく、
「自分でできる環境になっているだろうか?」

6.家庭の中には「自立の教材」がたくさんある

・洗濯物をかごに入れる
・靴をそろえる
・テーブルを拭く
・野菜を洗う
・食器を運ぶ
・花に水をやる
・自分の洋服を選ぶ

大人にとっては何でもない日常ですが、子どもにとっては、

「自分も家族の一員として、何かができた」

7.「お手伝い」から「自分の役割」へ

食器を運ぶ。自分の服を片づける。テーブルを拭く。これを単なる「大人のお手伝い」ではなく、

家族の一員として「自分の役割がある」

と考えることもできます。

子どもが自分で作ったものを販売し価値と対価を学ぶ様子

誰かの役に立つ。価値を生む。感謝される。そして将来は、その価値に対して対価を受け取る。

その一番最初の経験が、家庭の中にあるのかもしれません。

8.子どもが変わると、親も変わる

私はモンテッソーリトレーナーとして子どもたちを見てきました。

そして、子どものお金教育を始めると、信じられないほど子どもだけではなく、親も変わっていくことがあります。

子どもに自分で選ばせる。自分でやらせる。自分で失敗させる。自分で考えさせる。

「私は何でもやりすぎていたのではないか」
「失敗しないように先回りしすぎていたのではないか」
「子どもの人生なのに、私が決めすぎていたのではないか」

子どもの自立を考えることは、親自身の子育てを見直すことにもつながるのです。

9.子どもを「自立した一人の人間」として見る

子どもを「自分の所有物」ではなく、
いずれ自立していく一人の人間として見ること。

もちろん、小さいうちは親の助けが必要です。守ることも必要です。教えることも必要です。

でも、その最終目的は、ずっと親が助け続けることではありません。

自分で考える。
自分で選ぶ。
自分で失敗する。
自分で立ち直る。
自分の人生を歩く。

10.実は「子離れできない親」もいる

子どもの自立というと、子ども側の問題ばかり考えがちです。

子どもが自立しようとしているのに、
親の方がそれを手放せない。

危ないからやらせない。失敗するから任せない。心配だから決めてあげる。困るだろうから先に準備する。

愛情と、
子どもの人生を親が代わりに生きることは違う。

11.親にも「手放す練習」が必要

小さい頃は、自分で靴を履かせる。
次は、自分で洋服を選ばせる。
少し大きくなったら、自分のお金の使い方を考えさせる。
さらに成長したら、進路を考えさせる。
仕事を選ばせる。
人生を選ばせる。

こうして少しずつ、親が持っていた決定権を子ども本人へ返していく。

12.お金教育にも同じことが言える

子どもが欲しいものを全部親が買ってあげる。失敗しそうだから、お金の使い方を全部親が決める。困ったら、すぐお金を渡す。

それでは、自分でお金を考える経験がなかなかできません。

お金を渡し続ける親から、
お金を自分で考えて扱える子どもへ。

決めてあげる親から、
自分で決められる子どもへ。

13.大人に必要なのは「待つ力」

靴を履くのを待つ。ボタンを留めるのを待つ。水を注ぐのを待つ。考えているのを待つ。失敗しているのを少し待つ。

大人がやれば10秒。子どもなら3分。

大人にとっての3分が、
子どもにとっては「学びの3分」なのです。

14.自立とは「誰にも頼らないこと」ではない

まず自分で考えてみる。
自分でやってみる。
それでも難しければ、助けを求める。

15.親が子どもに残せるもの

子どもに1,000万円残すことより、
自分で1,000万円を作れる力を残す。

靴を履いてあげることより、自分で履けるようにする。
食事を運んであげることより、自分で運べるようにする。
問題を解決してあげることより、自分で考えられるようにする。
お金を与え続けることより、自分で生活を作れるようにする。

今日からできること

今日、子どもが「自分でやる」と言ったとき、すぐに手を出さず、少しだけ待ってみる。

「どこまで手伝えば、続きは自分でできるかな?」

子育てのゴールは、
子どもが親を必要とし続けることではない。

親がいなくても、
自分の人生を歩いていける人に育てること。

子どもの代わりに、親が人生を歩いてあげることはできません。

だからこそ、小さいうちから、自分で選び、自分でやり、失敗し、もう一度やってみる。

そんな経験をたくさん残してあげる。

それが、親が子どもに渡せる大きな財産の一つなのではないでしょうか。

ドルえもんです😊

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