メンタル・コラム

ソフトバンクはなぜ一代で巨大企業になれたのか?|孫正義の未来・資金調達・リスクリワードから学ぶ

投資の教科書|企業から学ぶ投資の考え方

ソフトバンクはなぜ一代で
巨大企業になれたのか?

孫正義の「未来・資金調達・リスクリワード」から学ぶ

ソフトバンクと聞くと、 「携帯電話の会社」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、ソフトバンクグループの歴史を見ていくと、 その姿はまったく違って見えてきます。

パソコンソフトの流通。
インターネット。
携帯電話。
世界企業への投資。
半導体。
そしてAI。

事業の形は何度も変わっています。 それでも孫正義さんが見続けてきたものには、 一本の共通した考え方があります。

📌 この記事で分かること

・孫正義さんはどんな未来を見てきたのか
・関連著書から見える考え方
・ソフトバンクは巨額の資金をどう集めたのか
・なぜ失敗があっても巨大企業になれたのか
・投資家が学べる「リスクリワード」の考え方

孫正義さんを知る代表的な一冊

孫正義さんについて知るうえで代表的な本の一つが、 井上篤夫さんの 『志高く 孫正義正伝 決定版』です。

長年にわたる本人や関係者への取材を通じて、 少年時代からソフトバンク創業、 インターネット、携帯電話、投資、そしてAIへ向かっていく姿が描かれています。

「今できること」から考えるのではなく、
「未来はどうなるのか?」から現在を考える。

孫さんの歩みを見ていると、 この考え方が非常に強く感じられます。

① 最初に大きな未来を描く

多くの場合、私たちは 「今、自分に何ができるか?」から考えます。

しかし孫さんは、もっと遠くを見ます。

将来、世界はどうなるのか?

そして、その未来から逆算して、 今何をするべきかを考える。

これは企業経営だけではなく、 投資にも通じる考え方です。

② 事業が変わっても「軸」は変わらない

ソフトバンクはパソコンソフトの流通から始まりました。

その後、

ソフトウェア

インターネット

携帯電話

半導体

AI

と、扱う事業は大きく変化してきました。

しかし根底には、 「情報革命」 という一本の軸があります。

手段を守るのではなく、 目的を守る。

だから時代が変われば、 やり方も大胆に変えることができるのだと思います。

③ 全部勝とうとしていない

孫正義さんの事業や投資は、 もちろんすべて成功したわけではありません。

大きな失敗もあります。

それでもソフトバンクは巨大企業へ成長しました。

なぜでしょうか。

大きな成功が、
失敗を上回ればいい。
孫正義の成功と失敗から学ぶリスクリワードの考え方

全部勝つ必要はない。重要なのは「成功した時にどれだけ大きく取れるか」

これは投資にも非常に似ています。

10回トレードして、 10回すべて勝つ必要はありません。

7回、小さく負ける。

しかし、3回の利益がその損失を大きく上回る。

それでも資金は増えていきます。

つまり重要なのは、 勝率だけではなく、リスクリワード なのです。

では、巨大企業を作るお金はどこから来たのか?

ここがソフトバンクの歴史で非常に面白いところです。

ソフトバンクは、 本業で稼いだ利益だけを貯めながら、 少しずつ現在の規模になったわけではありません。

銀行借入、株式市場、社債、パートナーからの出資、 保有資産の資金化など、 外部の資本を組み合わせながら成長してきました。

ソフトバンクの「事業の複利」

その流れをシンプルにすると、 次のようになります。

小さな事業を作る

実績を作る

信用を作る

資金を集める

より大きな事業へ投資する

キャッシュフローを増やす

さらに大きな資金を集める
ソフトバンクの資金調達と事業の複利を説明した図

実績が信用になり、信用が資金になり、その資金が次の成長を生む

2006年 ボーダフォン日本法人を約1.75兆円で買収

この考え方を象徴する出来事の一つが、 2006年のボーダフォン日本法人買収です。

株式価値は、 約1.75兆円

「そんな巨額のお金をどうやって用意したの?」

と思いますよね。

ポイントは、 すべてを自己資金で用意していないことです。

当初発表された主な資金構成

ソフトバンク出資 2,000億円
ヤフー出資 1,200億円
LBOによるノンリコースローン 1.1~1.2兆円

さらにボーダフォン側による優先株式等・劣後債への投資も組み合わせました。

そして実際の買収時には、 17金融機関による総額1.28兆円のブリッジファシリティが組まれました。

当時、日本最大規模のLBOとされた大型資金調達です。

さらに面白いのは「買収した会社の未来」を使ったこと

ボーダフォン買収後、 ソフトバンクは借入を長期資金へ借り換えるため、 携帯電話事業の証券化を進めました。

その仕組みでは、 携帯電話事業が将来生み出すキャッシュフロー が重要な返済原資になります。

「今持っているお金」だけではなく、
「その事業が将来生み出すお金」まで考える。

ここが非常に投資家的です。

2016年 ARMを約3.3兆円で買収

さらに2016年、 ソフトバンクグループは英国の半導体設計会社ARMを買収します。

買収価格は、 約3.3兆円

この買収でも、 最大1兆円のブリッジローン契約を締結しました。

また同じ時期には、 保有していたアリババ株の一部資金化や、 Supercell株の売却などによって資金を作っています。

つまり、

持っている資産を必要な時に資金へ変え、
次の成長分野へ資本を移していく。

という考え方です。

「借金=悪」ではない

一般的には、 「借金は怖い」というイメージがあります。

もちろん、返済できない借金は危険です。

しかし企業経営では、 利益を生み出す資産を手に入れるための借入 が成長を速めることがあります。

危険な借入

1億円借りる

お金を生まないものを買う

返済だけが残る
成長につながる借入

1億円借りる

キャッシュを生む資産を買う

収益から返済する

大切なのは、

「いくら借りたか?」だけではなく、
「借りたお金で何を買ったのか?」

投資家が孫正義さんから学べること

もちろん、 孫正義さんと同じように大きな借金をして投資しよう、 という話ではありません。

むしろ学ぶべきなのは、 リスクを取る前に何を考えているのかです。

未来を考える
期待値を考える
失敗した場合を考える
資金をどう守るか考える
勝負する場所を絞る

投資でも「全部勝とうとしない」

投資をしていると、 どうしても「負けたくない」と思います。

しかし、すべてのトレードで勝とうとすると、

・損切りができなくなる
・負けを取り返そうとする
・ルールを変更する
・本来やらないトレードまで始める

ということが起こります。

企業経営でも投資でも、 すべてが成功することはありません。

大切なのは、
「失敗しないこと」ではなく、
「失敗しても致命傷にならないこと」

そして成功した時には、 その利益をしっかり伸ばす。

これがリスクリワードの考え方です。

まとめ

ソフトバンクが一代で巨大企業へ成長した理由は、 単に「孫正義さんが優秀だったから」だけではありません。

未来を描く。
実績を作る。
信用を作る。
資金を集める。
成長分野へ投資する。
そして、さらに次の成長へ進む。

この循環を何十年も繰り返してきました。

そして、すべての挑戦を成功させようとはしない。

小さな失敗を受け入れ、
大きな成功を取りにいく。

この考え方は、私たち個人投資家にとっても とても大切なヒントになるのではないでしょうか。

今日のポイント
全部勝とうとしない。
負ける時は小さく。
勝てる時には、その利益を伸ばす。

※本記事は企業経営および投資について学ぶことを目的とした情報提供記事です。 ソフトバンクグループその他の金融商品の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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