資産形成

資産形成の教科書 2/6|NISAって何?初心者でもわかる仕組み・メリット・注意点

NISAって何?

NISAという言葉はよく聞くけれど、

「結局、何なのかよく分からない」

という方も多いと思います。

NISAは、株や投資信託そのものの名前ではありません。

NISAは、投資で得た利益に税金がかからなくなる「非課税制度」です。

通常、株式や投資信託で利益が出ると、その利益には税金がかかります。

しかしNISA口座の中で対象商品を購入し、利益が出た場合には、その利益が非課税になります。

つまりNISAは、

「投資をするなら、税金面で有利に使える特別な口座」

と考えると分かりやすいと思います。

普通の口座とNISAでは何が違う?

例えば、投資で10万円の利益が出たとします。

通常の課税口座では、上場株式などの利益に対して約20%の税金がかかります。

口座 利益 税金の目安 手元に残る金額
通常の課税口座 10万円 約2万円 約8万円
NISA口座 10万円 0円 10万円

現在、上場株式等の譲渡益や一定の配当には、通常20.315%の税率がかかります。

10万円の利益なら税額は約2万円です。

NISAでは、この国内の税金が非課税になります。

利益が大きくなるほど、NISAの非課税メリットも大きくなります。

現在のNISAには2つの投資枠がある

現在のNISAには、

  • つみたて投資枠
  • 成長投資枠

の2つがあります。

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資上限 120万円 240万円
主な対象 一定の投資信託 株式・投資信託など
投資方法 積立中心 積立・一括購入など
2つの枠 併用可能・年間最大360万円

つみたて投資枠と成長投資枠は、どちらか一方しか使えないわけではありません。

両方を同じ年に利用できます。

年間では、

120万円 + 240万円 = 最大360万円

まで投資できます。

つみたて投資枠とは?

つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託などを対象とした枠です。

例えば、毎月決まった金額を投資信託へ積み立てていく方法があります。

年間投資上限は120万円です。

単純に12か月で割ると、

毎月10万円まで積み立てれば、年間120万円

というイメージです。

もちろん毎月10万円を入れる必要はありません。

月1万円、3万円、5万円など、自分の生活に無理のない金額から始めることができます。

成長投資枠とは?

成長投資枠では、一定の投資信託だけでなく、個別株なども購入できます。

年間投資上限は240万円です。

例えば、

  • 日本株
  • 米国株
  • ETF
  • 一定の投資信託

などを購入する際に利用できます。

ただし、すべての商品をNISAで購入できるわけではありません。

成長投資枠にも対象外となる商品があります。

非課税で持てる金額には上限がある

NISAでは、年間投資枠とは別に、保有できる非課税枠の上限があります。

これを非課税保有限度額といいます。

内容 上限
つみたて投資枠+成長投資枠の合計 1,800万円
このうち成長投資枠で使える上限 1,200万円

ここは少し分かりにくいところです。

例えば、成長投資枠だけを使って1,800万円まで株を買えるわけではありません。

成長投資枠で使える非課税保有限度額は1,200万円までです。

一方、つみたて投資枠を組み合わせれば、合計1,800万円まで利用できます。

1,800万円を使ったら、もうNISAは使えない?

ここは現在のNISAの大きな特徴です。

NISA口座の商品を売却すると、売った商品の取得金額に相当する非課税保有限度額を、翌年以降に再利用できます。

例えば、NISAで100万円の商品を購入したとします。

その商品が120万円に値上がりして、120万円で売却した場合でも、翌年以降に復活する枠は、

120万円ではなく、購入したときの100万円

です。

逆に80万円まで値下がりして売却した場合でも、購入時の金額が100万円なら、翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は100万円です。

この仕組みを知っておくと、NISAは「一度使ったら終わり」という制度ではないことが分かります。

NISAなら何を買っても安心?

ここは、とても大切なポイントです。

NISAは「税金がかからない制度」であって、「損をしない制度」ではありません。

NISAで購入した投資信託や株式でも、価格が下がれば損失が出ます。

例えば100万円で購入した商品が80万円になれば、20万円の損失です。

NISAだから元本が保証されるわけではありません。

つまり、

NISAを始めることと、何を買うかを決めることは別の問題

です。

NISAの大きなメリット

メリット① 利益に税金がかからない

最大のメリットです。

通常なら約20%課税される利益が、NISA口座では非課税になります。

メリット② 非課税保有期間が無期限

現在のNISAでは、非課税で保有できる期間に期限がありません。

そのため、長期投資との相性が良い制度です。

メリット③ つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる

投資信託を積み立てながら、成長投資枠で個別株を購入するといった使い方もできます。

メリット④ 売却した分の総枠を再利用できる

商品を売却した場合、取得金額分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。

NISAで注意したいこと

注意① 損失が出ることもある

NISAは税制上の制度です。

投資商品の値下がりを防いでくれる制度ではありません。

注意② NISAの損失は損益通算できない

通常の課税口座では、条件を満たせば株式の利益と損失を相殺できる場合があります。

しかしNISA口座で発生した損失は、税務上「なかったもの」とされるため、他の課税口座の利益と損益通算することはできません。

NISAは利益が出たときには強い制度ですが、損失が出たときに税金面で救済される制度ではありません。

注意③ 配当金の受取方法に注意

上場株式の配当金をNISAで非課税にするには、証券会社を通じて受け取る「株式数比例配分方式」など、一定の条件があります。

受取方法によっては、NISA口座で持っている株式でも配当金が課税される場合があります。

注意④ 年間投資枠と総枠は別物

非課税保有限度額が空いていても、その年に投資できる金額には年間投資枠があります。

例えば売却によって500万円分の総枠が復活しても、その500万円をすべて翌年に一気に追加投資できるとは限りません。

その年の年間投資枠の範囲内で投資します。

NISAは誰でも使える?

2026年現在、基本的には、その年の1月1日時点で18歳以上の日本国内の居住者などが利用できます。

NISA口座は1人につき1口座です。

銀行や証券会社などで口座を開設して利用します。

なお、2027年からは制度改正により、0歳から17歳についても、つみたて投資枠を利用できる仕組みが始まる予定です。

0歳から17歳については、年間投資枠60万円、非課税保有限度額600万円となる予定です。

初心者はNISAをどう考えればいい?

NISAを始めるときに、最初から年間360万円を使い切ろうと考える必要はありません。

大切なのは、

  • 生活費に必要なお金を残す
  • 急な出費に備える現金を持つ
  • 無理のない金額から始める
  • 投資する目的を決める
  • 長く続けられる方法を選ぶ

ということです。

例えば、

「老後資金を作りたい」

「10年後、20年後のために資産を作りたい」

という目的なら、毎月一定額を積み立てていく方法も一つの考え方です。

NISAは「枠を全部使うこと」が目的ではありません。

自分の人生に合った資産形成に利用するための制度です。

NISAで一番大切なのは「何を買うか」

NISAという制度を理解すると、次に出てくる疑問があります。

「では、NISAで何を買えばいいの?」

ここでよく候補に上がるのが、

  • S&P500
  • 全世界株式(オルカン)

などの投資信託です。

しかし、この2つも中身は同じではありません。

米国を中心に投資するのか。

世界全体に分散するのか。

考え方によって選択も変わります。

まとめ|NISAは「投資商品」ではなく「制度」

今回、一番覚えてほしいのはここです。

NISAは商品ではありません。
投資によって得た利益を非課税にできる制度です。

2026年現在の主な内容は、

  • つみたて投資枠は年間120万円
  • 成長投資枠は年間240万円
  • 2つを合わせて年間最大360万円
  • 非課税保有限度額は合計1,800万円
  • 成長投資枠の上限はそのうち1,200万円
  • 非課税保有期間は無期限
  • 売却した商品の取得金額分は翌年以降に再利用できる

という仕組みです。

ただし、NISAを利用したからといって投資そのもののリスクがなくなるわけではありません。

大切なのは、

制度を理解したうえで、自分の目的に合った商品を選ぶこと。

です。

次回は、NISAでもよく選ばれている

「S&P500とオルカンは何が違うのか?」

を初心者向けに分かりやすく解説します。

※この記事について
この記事は2026年10月時点の制度をもとに、NISAの基本的な仕組みを初心者向けに説明したものです。制度や税制は今後変更される場合があります。また、NISAは投資による利益を保証する制度ではありません。投資商品には価格変動等による損失の可能性があります。

主な出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」、国税庁「NISA制度」

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