総務省が発表した最新の人口推計で、65歳以上の人口が3,624万人となりました。 日本の総人口に占める割合は29.6%。
ほぼ「3人に1人が65歳以上」という社会です。
数字だけを見ると「高齢化が進んでいるな」で終わってしまいます。 しかし、少し先まで考えてみると、私たち現役世代にとって非常に大きな問題が見えてきます。
65歳以上だけではない。「75歳以上」がすでに17.7%
2026年9月15日時点の日本の人口構成を見ると、
● 総人口:約1億2,262万人
● 65歳以上:3,624万人(29.6%)
● 75歳以上:2,168万人(17.7%)
● 85歳以上:720万人(5.9%)
● 15歳未満:1,313万人(10.7%)
ここで注目したいのは、65歳以上の割合だけではありません。
ということです。
もちろん「15歳未満」と「18歳未満」は同じではありません。 ただ、将来の社会保障を考えるうえでは、 これから社会に出て保険料や税を負担していく若い世代が少ないという人口構造そのものを見る必要があります。
では、年金を支える人はどうなるのか?
現在の15~64歳人口は約7,324万人。 65歳以上は約3,624万人です。
単純に人口だけで割ると、
15~64歳 約2.0人
となります。
もちろん、これは「2人で1人分の年金を全部支払っている」という意味ではありません。
年金制度には保険料だけでなく税金や積立金も使われていますし、 65歳以上でも働いて保険料や税を負担している人もいます。
反対に、15~64歳の全員が働いているわけでもありません。
したがってこれは、あくまで人口構造を見るための数字です。
2040年には「1.6人対1人」へ
さらに問題なのはこれからです。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、2040年には、
● 15~64歳:55.1%
● 65歳以上:34.8%
● 75歳以上:19.7%
になると推計されています。
単純な人口比では、
15~64歳 約1.6人
となります。
つまり高齢者が増えるだけでなく、 社会保障を支える中心となる世代そのものが減っていくのです。
年金以上に気になる「医療」の問題
私はここで、年金と同じくらい気になるのが医療保険です。
特に75歳以上が加入する後期高齢者医療制度です。
後期高齢者の医療給付費は、おおむね、
● 約5割 …… 公費(税金)
● 約4割 …… 現役世代からの支援金
● 約1割 …… 後期高齢者本人の保険料
という仕組みで支えられています。
つまり後期高齢者の医療は、 高齢者だけで支えている制度ではありません。
税金と現役世代の健康保険料が非常に大きな役割を担っています。
75歳以上が「5人に1人」の社会へ
2040年には75歳以上が人口の19.7%になると推計されています。
という社会です。
さらに医療や介護を必要とする割合が高くなる85歳以上の人口も無視できません。
これは単に「高齢者が多い」という話ではなく、
医療を必要とする人が増える一方で、保険料や税金を負担する現役世代が減っていく
という構造的な問題なのです。
では医療保険や年金は「破綻」するのか?
ここは冷静に考える必要があります。
「高齢者が増えるから年金や健康保険がなくなる」と単純に考えることはできません。
社会保障制度には、
● 保険料
● 税金
● 自己負担
● 年金積立金
● 給付内容
● 働く人の範囲
など、さまざまな調整方法があります。
実際、後期高齢者医療についても現役世代の負担上昇を抑えるための制度改正が行われています。
ですから重要なのは、
「今と同じ負担と給付のまま将来も続くのか?」
という視点ではないでしょうか。
現役世代は「国だけに任せる」準備では足りない
私は、この人口構造を見ると、 これからの現役世代は「年金があるから大丈夫」という準備だけでは少し不安だと思います。
かといって、不安をあおる必要もありません。
私たち自身で準備できることはたくさんあります。
① 65歳以降にも収入を得られる仕事やスキルを持つ
② 現金だけでなく長期的な資産形成を行う
③ 年金額と毎月の生活費を早めに把握する
④ 健康寿命を延ばす
⑤ 親の介護について家族で話しておく
⑥ 住宅や固定費を老後仕様にしていく
⑦ 収入源を一つだけに依存しない
長生きすることを「リスク」にしないために
本来、長生きできることは素晴らしいことです。
問題なのは、
「長生きするとお金が足りなくなる」
という状態になってしまうことです。
そのためには現役のうちから、
年金 + 資産 + 運用 + 仕事
というように、老後の生活を一つの収入だけに頼らない仕組みを作っておくことが大切です。
まとめ
2026年、日本の65歳以上人口は3,624万人。 総人口の29.6%となりました。
そして2040年には65歳以上が34.8%。 75歳以上だけでも19.7%になると予測されています。
一方で、社会保障を支える中心となる現役世代の割合は低下していきます。
この人口構造を考えると、これからの老後準備は単に、
「いくら貯金すればいいのか」
だけでは足りません。
・何歳まで働くのか
・収入源をどう作るのか
・資産をどう守り育てるのか
・健康をどう維持するのか
・医療や介護にどう備えるのか
ここまで含めて考える時代になっているのだと思います。
人口構造は、明日突然変わるものではありません。
だからこそ、まだ現役で働ける今から少しずつ準備することができます。
未来を怖がる必要はありません。
でも、数字を知って準備しておく必要はある。
私は、これがこれからの老後準備ではないかと思います。
・総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」(2026年9月20日公表)
・国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」
・厚生労働省「後期高齢者医療制度」関連資料
・厚生労働省「令和6(2024)年財政検証」
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