資産形成

政策金利が上がると預金と住宅ローンはどうなる?100万円の預金・月10万円返済でわかりやすく解説

政策金利が上がると、私たちの生活はどう変わる?

ニュースでよく聞く「政策金利」。

でも実際には、

「政策金利が上がると、自分には何の影響があるの?」

と感じる方も多いと思います。

政策金利が動くと、銀行の預金金利や住宅ローン金利にも少しずつ影響が広がっていきます。

今回は、

  • 100万円を銀行に預けている場合
  • 住宅ローンを毎月10万円返している場合

を例に、できるだけ分かりやすく考えてみます。

日銀の政策金利は1.25%へ

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)が1.25%程度で推移するよう促すことを決定しました。

新しい金融市場調節方針は2026年9月24日から適用されています。

預金する人
→ 受け取れる利息が増える方向

お金を借りている人
→ 支払う利息が増える方向

つまり、金利上昇には「預金者にはプラス」という面がある一方、「住宅ローンなどを借りている人には負担増」という面があります。

100万円を普通預金に預けると、どのくらい違う?

例えば三菱UFJ銀行は、2026年11月2日から円普通預金金利を、

年0.40% → 年0.50%

へ引き上げると発表しています。

100万円を1年間預けた場合を比較してみます。

100万円の預金 年0.40% 年0.50%
年間利息(税引前) 4,000円 5,000円
税引後の目安 約3,187円 約3,984円
増える金額 年間 約800円

100万円を預けていても、金利が0.1%上昇した場合に増える手取り利息は、年間でおよそ800円です。

預金金利が上がること自体はうれしいことですが、100万円程度の預金では、家計が大きく変わるほどの金額ではありません。

目安
100万円 → 年間約800円増
500万円 → 年間約4,000円増
1,000万円 → 年間約8,000円増
3,000万円 → 年間約2万4,000円増

普通預金の利息はいつもらえる?

「年0.50%」と表示されていると、毎月利息が入るようなイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし普通預金では、銀行ごとに決められた時期にまとめて利息が入るケースがあります。

例えば三菱UFJ銀行の普通預金では、毎日の最終残高をもとに利息を計算し、毎年2月と8月に利息を預金へ組み入れる仕組みになっています。

毎日の預金残高で利息を計算
↓
決められた利息支払日にまとめて入金

つまり、利息が入る直前だけ100万円を預けても、半年分の利息がもらえるわけではありません。

実際に預けていた日数に応じて利息が計算されるということです。

住宅ローンの変動金利はどうなる?

一方、家計への影響が大きくなりやすいのが住宅ローンです。

三菱UFJ銀行は2026年11月2日から短期プライムレートを、

2.375% → 2.625%

へ0.25%引き上げると発表しています。

多くの金融機関では、住宅ローンの変動金利の基準金利を決める際に、短期プライムレートなど短期金利の動きを参考にしています。

三菱UFJ銀行も今回の短期プライムレート引き上げを受け、2026年12月1日から住宅ローンの変動金利の基準金利を見直すとしています。

ただし、既に住宅ローンを利用している人にいつ新しい金利が反映されるのかは、契約内容や金利の種類によって異なります。

同じ月10万円返済でも「残り年数」で差が出る

例えば現在、住宅ローンを毎月10万円返しているとします。

ここでは分かりやすく、現在の金利が、

1.00% → 1.25%

へ0.25%上昇した場合を考えてみます。

現在の月返済額10万円から逆算した概算残高を使い、その残り期間を新しい金利1.25%で返済すると仮定した比較です。

残り期間 概算残高 月返済増加 総負担増
5年 約585万円 約630円 約3.8万円
10年 約1,141万円 約1,240円 約15万円
20年 約2,174万円 約2,440円 約59万円
30年 約3,109万円 約3,610円 約130万円
35年 約3,543万円 約4,180円 約176万円

ここで重要なのは、

同じ月10万円を返していても、残りの返済期間が長いほど金利上昇の影響が大きくなりやすい

ということです。

残り5年なら、元金はかなり減っています。

一方で残り30年、35年なら、まだ数千万円のローン残高があります。

そのため、同じ0.25%の金利上昇でも影響が大きく変わります。

特に35年残っているケースでは、月々の差は約4,180円でも、同じ金利が残り期間ずっと続くと仮定すると、総額では約176万円の差になります。

「月4,000円くらいなら大丈夫」と考えていい?

月々4,000円程度なら、それほど大きく感じないかもしれません。

しかし住宅ローンは期間が長いため、小さな金利差でも積み重なると大きな金額になります。

住宅ローンでは
「月々の差」だけでなく
「残り期間全体の差」を見ることが大切

返済額が変わっていなくても安心とは限らない

変動金利の住宅ローンには、金融機関や商品によって、金利が変わっても毎月の返済額をすぐには変更しない仕組みが採用されている場合があります。

代表的なのが、いわゆる「5年ルール」です。

例えば毎月10万円返済しているとします。

元金 利息 返済額
金利上昇前 7万円 3万円 10万円
金利上昇後 6万円 4万円 10万円

これは仕組みを説明するための単純な例ですが、ポイントは毎月の支払額が同じでも、中身が変わる可能性があるということです。

利息の割合が増えれば、その分だけ元金の減り方が遅くなります。

「毎月の返済額が変わっていないから、金利上昇の影響を受けていない」とは限りません。

なお、5年ルールなどの返済額見直し方法は、すべての銀行・すべての住宅ローンに共通するものではありません。

自分の住宅ローンがどのような仕組みになっているのか、契約内容を確認することが重要です。

預金と住宅ローンでは、金利上昇の影響がかなり違う

今回の三菱UFJ銀行の例では、

項目 変更前 変更後 変化
普通預金金利 0.40% 0.50% +0.10%
短期プライムレート 2.375% 2.625% +0.25%

100万円の普通預金なら、0.1%の金利上昇によって増える手取り利息は年間約800円です。

一方、住宅ローンでは数千万円という大きなお金に金利がかかるため、0.25%程度の違いでも長期間では数十万円、100万円以上の違いになる可能性があります。

ここで大切なのは、金利の数字そのものだけを見ることではありません。

「いくらのお金に、その金利がかかっているのか」

という点を見る必要があります。

まとめ|金利ニュースは「自分ならいくら変わるか」で考える

政策金利という言葉だけ聞くと、投資家や銀行だけに関係する話のように感じます。

しかし実際には、

  • 普通預金の利息
  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 企業の借入金利
  • 株式市場
  • 不動産市場

など、私たちの生活にも広く影響します。

今回の例で見ても、

100万円の普通預金
0.40% → 0.50%
→ 手取り利息は年間約800円増

月10万円・残り35年の住宅ローンのモデル例
1.00% → 1.25%
→ 月約4,180円、残り期間全体では約176万円の差

となります。

金利のニュースを見るときには、

「政策金利が何%になったか」

だけで終わらせるのではなく、

「自分の預金や住宅ローンなら、実際にいくら変わるのか?」

まで考えてみると、ニュースがずっと身近に感じられるようになります。

※この記事について
記事中の金利情報は2026年10月3日時点で公表されている情報をもとにしています。住宅ローンの計算は、金利1.00%から1.25%へ上昇し、その金利が残り期間続くと仮定した説明用の概算です。実際の適用金利、金利見直し時期、返済額、5年ルールなどは金融機関・商品・契約条件によって異なります。

主な出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)、三菱UFJ銀行「円普通預金金利の改定について」「短期プライムレートの改定について」「住宅ローン 変動金利の基準金利見直しについて」

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