メンタル・コラム

老後資金3,000万円があっという間に消える人。問題は貯金額ではなく生活習慣だった

「退職した時には3,000万円くらい貯金があったのに、気がついたらほとんど残っていなかった。」

そんな話を、ニュースやネットの記事などで目にすることがあります。

老後資金が減っていき不安を感じる夫婦

3,000万円。

普通に考えれば、かなり大きなお金です。

「3,000万円もあれば、老後はかなり安心なのでは?」

そう思う人も多いでしょう。

ところが、老後のお金を考えるうえでは、

「いくら持っているか」

だけを見ていると危険です。

もっと大切なのは、

毎年いくらずつ減っているのか

ということです。

3,000万円あっても、年間300万円減れば10年

例えば、退職後の年金などの収入が毎月25万円だったとします。

一方で、現役時代と同じように毎月40万円使っていたらどうでしょう。

40万円 − 25万円 = 毎月15万円の不足

15万円 × 12か月 = 年間180万円

これだけでも、10年間で1,800万円になります。

しかも老後には、毎月の生活費以外にも大きな支出があります。

🚗 車の買い替え

🏠 自宅のリフォーム

📺 家電の買い替え

✈️ 旅行

🎁 子どもや孫への援助

💐 冠婚葬祭

🏥 医療費など

例えば、

車の買い替え……500万円

住宅修繕……400万円

旅行・その他の臨時支出……300万円

先ほどの10年間の取り崩し1,800万円と合わせると、

1,800万円 + 1,200万円 = 3,000万円

決して現実離れした数字ではありません。

本当に怖いのは「浪費」ではない

こういう話をすると、

「そんなに使う方が悪い」

と思うかもしれません。

でも、私は少し違うと思っています。

老後資金が減っていく原因は、突然ぜいたくを始めることではありません。

むしろ問題なのは、

現役時代の生活を、そのまま続けてしまうこと

旅行や外食や車など現役時代の生活を楽しむシニア夫婦

現役時代に、

・毎週外食する

・年に何回か旅行する

・好きな車に乗る

・趣味にお金を使う

・子どもや孫にプレゼントする

こうした生活を何十年も続けてきた人が、

「今日で定年です。明日から生活費を30%減らしてください」

と言われて、本当にすぐできるでしょうか。

私は、かなり難しいと思います。

生活レベルは、上げるより下げる方が難しい

人は一度慣れた生活を「普通」だと感じるようになります。

月40万円で暮らしてきた人にとっては、

月40万円の生活がぜいたくなのではありません。

それが「普通の生活」になっているのです。

だから退職後、

「収入が減ったから、今日から月25万円で暮らそう」

と頭では理解できても、生活習慣は簡単には変わりません。

外食を減らす。
旅行を減らす。
車を手放す。
趣味を減らす。
交際費を減らす。

一つ一つは小さなことでも、全部を一気に変えるとなれば、大きなストレスになります。

実は、退職直後の数年間が危ない

しかも退職直後には、退職金や貯蓄があります。

例えば3,000万円持っていたとします。

1年後:2,700万円
「まだ2,700万円ある」

さらに減って2,400万円
「まだ2,000万円以上あるから大丈夫」

こうして危機感を持たないまま、数年が過ぎてしまうことがあります。

ところが1,000万円を切るころになって、

「思ったより減るのが早い……」

と気づく。

でもその時には、70歳前後になっている可能性もあります。

「老後にいくら必要?」だけでは足りない

老後のお金については、

「2,000万円必要」
「3,000万円あれば安心」
「5,000万円あれば大丈夫」

という話をよく見かけます。

でも、本当に重要なのは金額そのものではありません。

見るべきなのは「資産額」ではなく
「年間の取り崩し額」

例えば3,000万円持っていても、

毎年300万円ずつ減れば、単純計算で約10年です。

反対に、年間50万円しか取り崩さないのであれば、状況はまったく違います。

年間収入 − 年間支出 = 年間収支

定年してから生活を変えるのでは遅い

では、どうすればいいのでしょうか。

私は、

定年前から「老後の生活」を練習しておく

定年前から夫婦で老後の家計を計画する様子

ことが、とても大切だと思います。

例えば65歳で退職する予定なら、60歳くらいから、

「退職後の収入だったら、毎月いくら使えるのか」

を計算してみる。

仮に退職後の生活費を月28万円にする予定なら、

現役で収入があるうちから、月28万円で生活する練習をしてみるのです。

残ったお金は、別口座に移してしまう。

すると、

「思ったより外食費がかかっているな」

「この保険はいらないかもしれない」

「車は残したいから旅行を少し減らそう」

「この趣味だけは残したい」

老後準備は「何もかも我慢すること」ではない

旅行が好きなら、旅行を続けてもいい。

車が好きなら、車を持っていてもいい。

趣味にお金を使ってもいい。

大切なのは、

自分が何を残したいのかを決めること

です。

お金の使い方を、自分で選ぶということです。

投資と老後生活はよく似ている

私は投資を教えていますが、

老後のお金の問題は、投資とよく似ていると思います。

相場が暴落してから、

「もっとリスクを減らしておけばよかった」

と思っても遅い。

同じように、

貯金が減ってから、

「もっと生活費を減らしておけばよかった」

と思っても、急に生活を変えるのは難しい。

大切なのは、余裕があるうちに準備しておくこと。

本当に考えるべき老後対策

「あといくら貯めれば安心ですか?」

もちろん、貯蓄は大切です。

でも私は、それ以上に大切な質問があると思います。

「退職後の収入で暮らせる生活習慣を、いつから作りますか?」

3,000万円持っている人でも、毎年300万円ずつ減っていけば、不安は大きくなります。

反対に、大きな資産がなくても、

収入の範囲内で生活できる仕組みができていれば、資産は簡単には減りません。

自分は、毎月いくらで暮らせる人なのか。

そこを知ることが、本当の老後準備なのではないでしょうか。

ドルえもんです😊

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