投資で迷うのは知識が足りないから?情報を増やしすぎる落とし穴
「もっと勉強すれば迷わなくなる」と思って情報を増やした結果、かえって判断できなくなることがあります。必要なのは情報量ではなく、何を確認するかを整理することです。
前の記事では、チャートを見る順番として、
方向 → タイミング → ルール確認
という考え方をお話ししました。
ところが、実際にチャートを見ていると迷うことがあります。
そんな時、私たちはついこう考えます。
「まだ知識が足りないのでは?」
そして、もっとニュースを読み、もっとインジケーターを増やし、もっと他人の予想を探します。
でも、その結果さらに迷ってしまうことがあります。
今回は、情報を増やしすぎることで起こる落とし穴について考えてみます。
情報が多いほど判断しやすいとは限らない
投資の世界には、本当にたくさんの情報があります。
- 経済ニュース
- 企業ニュース
- 金利
- 為替
- 先物
- SNS
- YouTube
- アナリストの予想
- テクニカル指標
- インジケーター
どれも役に立つ可能性があります。
しかし、すべてを同時に判断材料にすると問題が起こります。
「見るべきもの」が増え
判断が遅くなることがある。
情報量と判断力は、必ずしも同じではありません。
違う情報から違う答えが出てくる
例えば、ある銘柄を見ているとします。
- 日足は上昇している
- 15分足は下落している
- ニュースは好材料
- NASDAQは下落している
- RSIは高い
- 移動平均線は上向き
- SNSでは強気意見が多い
すると、どれを優先すればいいのか分からなくなります。
売り材料もある。
結局どうすればいいの?
これは珍しいことではありません。
相場では、すべての情報が同じ方向を示すとは限らないからです。
迷った時に情報を増やすと、さらに迷うことがある
判断できないと、不安になります。
そこで新しい情報を探します。
- 別のインジケーターを見る
- 別の時間足を見る
- ニュースを検索する
- SNSの意見を見る
- 他のトレーダーの予想を見る
その結果、最初よりも材料が増えます。
そしてまた違う意見が見つかります。
迷う → 情報を増やす → さらに迷う。
この繰り返しになることがあります。
自分が欲しい答えだけを探してしまうこともある
もう一つ注意したいのが、先に自分の考えが決まっている場合です。
例えば「この株は上がる」と思っているとします。
すると無意識に、上昇を支持する情報ばかり探してしまうことがあります。
- 強気の記事を読む
- 上昇予想をしている人を探す
- 買いサインだけを見る
- 都合の悪い材料を小さく考える
反対に「下がる」と思っていれば、下落材料ばかり目に入りやすくなります。
自分の予想を正当化する材料を
探しているだけになることもある。
だからこそ、最初から「上がる・下がる」を決めつけないことが大切です。
知識不足と情報過多は違う
もちろん、本当に基礎知識が足りない場合もあります。
ただし、迷っている原因がすべて知識不足とは限りません。
知識不足
基本的な意味や仕組みそのものが分からない状態です。
例えば、ローソク足や移動平均線の意味がまだ分からない場合などです。
情報過多
基本は分かっているけれど、見るものを増やしすぎて判断できなくなっている状態です。
この場合は、新しい知識を増やすより整理する方が先です。
「知らないから迷っている」のか、
「見すぎて迷っている」のかを分けて考える。
まず情報源を絞ってみる
情報を整理する一つの方法は、普段見るものを決めておくことです。
- □ 自分が普段確認するチャート
- □ 自分が使うインジケーター
- □ 自分が確認する経済情報
- □ 自分のトレードルール
毎回違う人の意見を見たり、毎回違うインジケーターを追加したりすると、自分の判断基準が作りにくくなります。
それ以外は「今は見ない」。
「今必要な情報」と「知っておくと良い情報」を分ける
投資の知識には、今すぐ判断に必要なものと、将来的に知っておくと役立つものがあります。
今、必要な情報
現在の方向、タイミング、自分のルール、リスクなど、今のトレード判断に直接必要なもの。
知っておくと良い情報
経済の仕組みや他の分析方法など、学習として役立つけれど、その瞬間の判断には必須ではないもの。
この2つをごちゃ混ぜにすると、チャートを見るたびに大量の情報を確認することになります。
「今、この判断に必要なのか?」
という基準を持つと整理しやすくなります。
迷ったら「方向・タイミング・ルール確認」に戻る
情報が多くなりすぎた時は、基本に戻ります。
- □ 方向はどうなっている?
- □ 今は自分のタイミング?
- □ 自分のルールは揃っている?
まず、この3つだけを確認します。
そして条件が揃っていなければ、無理に答えを出しません。
分からない時に「待つ」という選択肢を持つ。
相場では、いつも売買の答えを出す必要はありません。
「もっと良い手法」を探し続けない
トレードで負けると、今使っている方法が悪いように感じることがあります。
そして新しい手法を探します。
- 今度はMACDを使おう
- 次はRSIを使おう
- 別の時間足にしよう
- 別のトレーダーの方法を試そう
しかし、短期間で方法を変え続けると、自分がなぜ負けたのか検証できなくなります。
ルール通りできていたかを確認する。
手法そのものに問題があったのか。
それとも、自分が条件を守れなかったのか。
ここを分けて考えることが大切です。
情報を減らすことは「勉強しない」という意味ではない
ここで誤解してほしくないのは、情報を減らすことと勉強しないことは違うということです。
知識を学ぶことは必要です。
経済や市場を知ることも役立ちます。
ただし、
学習する時間と、トレード判断をする時間を分ける。
という考え方が重要です。
勉強中なら、たくさん調べても構いません。
でも実際にチャートを見て判断する時は、自分が決めた確認項目へ戻ります。
本当に必要なのは「自分の判断基準」
投資の世界には、これからも新しい情報が出続けます。
すべてを見ることはできません。
だから最終的に必要になるのは、
自分は何を見て判断するのかを
決めておくこと。
です。
誰かの予想を探すのではなく、自分の確認項目に戻る。
情報を増やすのではなく、必要なものを整理する。
この考え方が、次の記事でお話しする「予想ではなく確認」にもつながっていきます。
まとめ|迷ったら増やす前に整理する
① 情報が多いほど判断しやすいとは限らない
違う情報から違う答えが出ることがあります。
② 迷った時に情報を増やしすぎない
さらに判断が難しくなることがあります。
③ 知識不足と情報過多を分ける
新しい勉強が必要なのか、整理が必要なのかを考えます。
④ 情報源を絞る
普段確認するものをある程度決めておきます。
⑤ 方向・タイミング・ルール確認へ戻る
迷った時に戻る基準を持ちます。
⑥ 分からなければ待つ
毎回必ず売買判断を出す必要はありません。
情報を増やす前に
自分の確認項目へ戻る。
トレードは「予想」ではなく「確認」
情報を整理できたら、第0章の最後に覚えておきたい考え方があります。
「上がると思うから買う」ではなく、今の相場と自分の条件を確認して判断するという考え方です。
※本記事は金融・投資に関する一般的な教育・情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買や利益を推奨・保証するものではありません。投資には価格変動等により損失が生じるリスクがあります。
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