投資の教科書

第0章 5/6|投資で迷うのは知識が足りないから?情報を増やしすぎる落とし穴

Turning Point 投資の教科書|第0章 5/6

投資で迷うのは知識が足りないから?情報を増やしすぎる落とし穴

「もっと勉強すれば迷わなくなる」と思って情報を増やした結果、かえって判断できなくなることがあります。必要なのは情報量ではなく、何を確認するかを整理することです。

前の記事では、チャートを見る順番として、

方向 → タイミング → ルール確認

という考え方をお話ししました。

ところが、実際にチャートを見ていると迷うことがあります。

そんな時、私たちはついこう考えます。

「まだ知識が足りないのでは?」

そして、もっとニュースを読み、もっとインジケーターを増やし、もっと他人の予想を探します。

でも、その結果さらに迷ってしまうことがあります。

今回は、情報を増やしすぎることで起こる落とし穴について考えてみます。

情報が多いほど判断しやすいとは限らない

投資の世界には、本当にたくさんの情報があります。

  • 経済ニュース
  • 企業ニュース
  • 金利
  • 為替
  • 先物
  • SNS
  • YouTube
  • アナリストの予想
  • テクニカル指標
  • インジケーター

どれも役に立つ可能性があります。

しかし、すべてを同時に判断材料にすると問題が起こります。

情報が増えるほど
「見るべきもの」が増え
判断が遅くなることがある。

情報量と判断力は、必ずしも同じではありません。

違う情報から違う答えが出てくる

例えば、ある銘柄を見ているとします。

  • 日足は上昇している
  • 15分足は下落している
  • ニュースは好材料
  • NASDAQは下落している
  • RSIは高い
  • 移動平均線は上向き
  • SNSでは強気意見が多い

すると、どれを優先すればいいのか分からなくなります。

買い材料もある。
売り材料もある。

結局どうすればいいの?

これは珍しいことではありません。

相場では、すべての情報が同じ方向を示すとは限らないからです。

迷った時に情報を増やすと、さらに迷うことがある

判断できないと、不安になります。

そこで新しい情報を探します。

  • 別のインジケーターを見る
  • 別の時間足を見る
  • ニュースを検索する
  • SNSの意見を見る
  • 他のトレーダーの予想を見る

その結果、最初よりも材料が増えます。

そしてまた違う意見が見つかります。

迷う → 情報を増やす → さらに迷う。

この繰り返しになることがあります。

自分が欲しい答えだけを探してしまうこともある

もう一つ注意したいのが、先に自分の考えが決まっている場合です。

例えば「この株は上がる」と思っているとします。

すると無意識に、上昇を支持する情報ばかり探してしまうことがあります。

  • 強気の記事を読む
  • 上昇予想をしている人を探す
  • 買いサインだけを見る
  • 都合の悪い材料を小さく考える

反対に「下がる」と思っていれば、下落材料ばかり目に入りやすくなります。

情報を集めているつもりが
自分の予想を正当化する材料を
探しているだけになることもある。

だからこそ、最初から「上がる・下がる」を決めつけないことが大切です。

知識不足と情報過多は違う

もちろん、本当に基礎知識が足りない場合もあります。

ただし、迷っている原因がすべて知識不足とは限りません。

知識不足

基本的な意味や仕組みそのものが分からない状態です。

例えば、ローソク足や移動平均線の意味がまだ分からない場合などです。

情報過多

基本は分かっているけれど、見るものを増やしすぎて判断できなくなっている状態です。

この場合は、新しい知識を増やすより整理する方が先です。

「知らないから迷っている」のか、
「見すぎて迷っている」のかを分けて考える。

まず情報源を絞ってみる

情報を整理する一つの方法は、普段見るものを決めておくことです。

  • □ 自分が普段確認するチャート
  • □ 自分が使うインジケーター
  • □ 自分が確認する経済情報
  • □ 自分のトレードルール

毎回違う人の意見を見たり、毎回違うインジケーターを追加したりすると、自分の判断基準が作りにくくなります。

必要な情報を決める。
それ以外は「今は見ない」。

「今必要な情報」と「知っておくと良い情報」を分ける

投資の知識には、今すぐ判断に必要なものと、将来的に知っておくと役立つものがあります。

今、必要な情報

現在の方向、タイミング、自分のルール、リスクなど、今のトレード判断に直接必要なもの。

知っておくと良い情報

経済の仕組みや他の分析方法など、学習として役立つけれど、その瞬間の判断には必須ではないもの。

この2つをごちゃ混ぜにすると、チャートを見るたびに大量の情報を確認することになります。

「今、この判断に必要なのか?」

という基準を持つと整理しやすくなります。

迷ったら「方向・タイミング・ルール確認」に戻る

情報が多くなりすぎた時は、基本に戻ります。

  • □ 方向はどうなっている?
  • □ 今は自分のタイミング?
  • □ 自分のルールは揃っている?

まず、この3つだけを確認します。

そして条件が揃っていなければ、無理に答えを出しません。

分からない時に「待つ」という選択肢を持つ。

相場では、いつも売買の答えを出す必要はありません。

「もっと良い手法」を探し続けない

トレードで負けると、今使っている方法が悪いように感じることがあります。

そして新しい手法を探します。

  • 今度はMACDを使おう
  • 次はRSIを使おう
  • 別の時間足にしよう
  • 別のトレーダーの方法を試そう

しかし、短期間で方法を変え続けると、自分がなぜ負けたのか検証できなくなります。

手法を変える前に
ルール通りできていたかを確認する。

手法そのものに問題があったのか。

それとも、自分が条件を守れなかったのか。

ここを分けて考えることが大切です。

情報を減らすことは「勉強しない」という意味ではない

ここで誤解してほしくないのは、情報を減らすことと勉強しないことは違うということです。

知識を学ぶことは必要です。

経済や市場を知ることも役立ちます。

ただし、

学習する時間と、トレード判断をする時間を分ける。

という考え方が重要です。

勉強中なら、たくさん調べても構いません。

でも実際にチャートを見て判断する時は、自分が決めた確認項目へ戻ります。

本当に必要なのは「自分の判断基準」

投資の世界には、これからも新しい情報が出続けます。

すべてを見ることはできません。

だから最終的に必要になるのは、

情報を全部知ることではなく
自分は何を見て判断するのかを
決めておくこと。

です。

誰かの予想を探すのではなく、自分の確認項目に戻る。

情報を増やすのではなく、必要なものを整理する。

この考え方が、次の記事でお話しする「予想ではなく確認」にもつながっていきます。

まとめ|迷ったら増やす前に整理する

① 情報が多いほど判断しやすいとは限らない
違う情報から違う答えが出ることがあります。

② 迷った時に情報を増やしすぎない
さらに判断が難しくなることがあります。

③ 知識不足と情報過多を分ける
新しい勉強が必要なのか、整理が必要なのかを考えます。

④ 情報源を絞る
普段確認するものをある程度決めておきます。

⑤ 方向・タイミング・ルール確認へ戻る
迷った時に戻る基準を持ちます。

⑥ 分からなければ待つ
毎回必ず売買判断を出す必要はありません。

迷った時は
情報を増やす前に
自分の確認項目へ戻る。
📘 第0章|次に読む記事 6/6

トレードは「予想」ではなく「確認」

情報を整理できたら、第0章の最後に覚えておきたい考え方があります。

「上がると思うから買う」ではなく、今の相場と自分の条件を確認して判断するという考え方です。

NEXT|第0章 6/6
予想ではなく「確認」
未来を当てることを目的にするのではなく、方向・タイミング・ルールを一つずつ確認する。第0章の最後に、Turning Pointが最も大切にしているトレードの考え方をまとめます。
第0章 6/6を読む →

※本記事は金融・投資に関する一般的な教育・情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買や利益を推奨・保証するものではありません。投資には価格変動等により損失が生じるリスクがあります。

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